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特攻 この地より
かごしま出撃の記録

特攻 この地より

特攻 この地より
かごしま出撃の記録

サイズ: 四六判 452ページ

定価: 1,760円(本体1,600円+税10%) 送料: 440円

ISBNコード: 4-86074-242-3

太平洋戦争末期、米軍の沖縄上陸を阻止するため、鹿児島県内の数多くの基地から20歳前後の青年たちが「特攻」として飛び立ち、2000人以上の命が南の海に散った。
若き特攻隊員たちが命を賭して守ろうとした国・故郷とは何だったのか。特攻の実像に迫る。

目次

はじめに                   昭和史研究家 保阪正康

序 鹿児島県の特攻
沖縄支援の出撃基地が集中……2
特攻をどうとらえるか  昭和史研究家・保阪正康氏に聞く……5
鹿児島県内の主な特攻拠点……9
太平洋戦争と特攻作戦の推移……12
文に刻んだ思念……16

第1部 終の便り
1・生き残り  友の絶筆求め全国行脚……22
2・母代わり  「子供」らの最期伝える……26
3・終の便り  遺稿集出版し証言残す……29
4・「人世総決算」  諦めの心境にじむ色紙……32
5・託された謎  命日探り夫婦の旅7年……35
6・語り部  「忘れないで」思い込め……38
7・記憶遺産落選  「世界の知覧」へ高い壁……41
8・次世代へ  特殊な時代どう伝える……44

第1部「終の便り」余話……47
おたよりから……54

第2部 砂上の基地
1・戦後69年目の映像  無数の弾浴び米艦へ、兄の悲壮実感……62
2・急造飛行場  「悪夢」となった誘致話……67
3・少年飛行兵  沖縄戦を前に急ぎ養成……70
4・出撃まで  心揺れた移動の2カ月……73
5・経験不足  厳しかった洋上600キロ行……76
6・おんぼろ機  若き隊長、整備に苦闘……79
7・写真の〝遺言〟  聞けなかった思いの丈……82
8・消えた学校  歴史、地域から再評価を……85

第2部「砂上の基地」余話……89
おたよりから……97

第3部 軍都鹿屋
1・人間爆弾部隊  初陣で160人全滅……102
2・開発期間2カ月  県出身者、命懸けの試験……106
3・投下訓練  使い難い槍、見えた現実……109
4・桜花の初戦果  戦術を転換、唯一の撃沈……112
5・最前線の空気  厳しさと解放感が同居……115
6・幻の建武隊  発進直前、取りやめに……118
7・兄の矜持  戦闘機乗りの思い強く……121
8・掩体壕群  作戦継続に大きく貢献……124
9・学徒動員  空廠の工員不足埋める……127
10・女子挺身隊  使命感持ち司令部勤務……130
11・航空燃料  「血の一滴」、大事故も……133
12・こだわりの遺品  写真帳6冊、生きた証し……136

第3部「軍都鹿屋」余話……139
おたよりから……154

第4部 細る戦力
1・天草二座水偵隊  初陣の2機、岩礁に突入……158
2・怖かった満月  古い機体故、生き延びる……162
3・天空会  元隊員と遺族をつなぐ……165
4・つなぎ役  本土決戦へ一線機温存……168
5・ある特命  上層部の「適当さ」象徴……171
6・反発  指揮官先頭の伝統消え……174
7・偵察員養成機  戦闘に向かない機体動員……177
8・出撃中止2度  わずかな差で命永らえる……180
9・幻の昼間攻撃(上)  志願の意思なく隊員に……183
10・幻の昼間攻撃(下)  突然の中止、記録もなし……186
11・電信機なし  戦果伝えるすべ持たず……189
12・続く投入  本土決戦へ向け主力に……192

第4部「細る戦力」余話……195
おたよりから……213

第5部 半島の神鷲
1・魂の帰る場所  反発受け、横たわる追悼碑……216
2・陸士入校  父の勧めで法の道断念……220
3・葛藤と誇り  天皇のためには死ねぬ……223
4・遺族の苦悩  「支配の論理」押しつけ……226
5・「弟よ続け」  青年らをあおった報道……229
6・少年飛行兵  夢や憧れ、動員に利用……232
7・皇民化  「忠良ナル臣民」目指す……235
8・民族の将来  現実憂い一身なげうつ……238
9・分かれた運命  生存者は韓国軍幹部に……241
10・不都合な真実  日韓ともに向き合って……244

第5部「半島の神鷲」余話……247
おたよりから……256

第6部 本土決戦への道
1・秘匿飛行場  牧場を活用、息潜め出撃待つ……260
2・出撃待機  息抜けぬ環境、増す疲弊……264
3・里帰り隊  30分前に出撃取りやめ……267
4・軍歴  入隊も終戦も鹿児島……270
5・悔し涙  「早まるな」諭した上官……273
6・赤とんぼ〝供給地〟鹿屋  女生徒ら組み立て担う……276
7・代替兵器  大空飛ぶ夢諦めて志願……279
8・事故多発  簡易構造、大きな欠陥に……282
9・総武装用兵器  槍や弓で米軍に対抗……285
10・海上特別斬込隊  竹筒に武器収め、海中で敵待つ……288
11・義勇戦闘隊  法律定め民間人も投入……291
12・空襲の理由  上陸作戦〝幻〟にあらず……294

第6部「本土決戦への道」余話……297
おたよりから……316

第7部 統制下の新聞
1・全軍布告  記事も広告も一体化……322
2・伏せ字  軍部の指導に逆らえず……326
3・言論報国  使命感帯び進んで協力……329
4・基地にて  隊員たちと銃後を結ぶ……332
5・神格化  一億動員のシンボルに……335
6・読者の目  御用化に「白々しさ」も……338
7・戦争責任  駆り立てた歴史忘れず……341

第7部「統制下の新聞」余話……345

第8部 伝承の壁
1・遺書  英雄、犬死に、二元論で語れぬ実相……358
2・体当たりせず  夜襲貫いた異色の部隊……363
3・愚かな作戦  勇気ある指揮官の遺言……366
4・根強い志願説  指導者証言の多さに要因……369
5・神国日本  「名誉ある死」が目的に……372
6・資料館  求められる多様な視点……375
7・新たな器  戦争の「構造」伝えたい……378
8・学校新聞の挑戦  記憶に眠る史実を発掘……381

第8部「伝承の壁」余話……385
おたよりから……392

特別編 玉音放送の日 ……395

おわりに
識者インタビュー
「残念」胸に反戦を詠む         歌人 岡野弘彦さん……410
国民を序列化する戦争       昭和史研究家 保阪正康さん……413
連載余話……417
取材を終えて
「忘れぬ」大切さ実感           編集委員 深野修司……428
不戦へ問い続けたい           編集委員 門田夫佐子……429

参考文献……431

あとがき              南日本新聞社編集局編集本部長 藤田一知……436

本文(一部抜粋)

       

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